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第32回企画展「中田浩嗣 彫刻展」

印刷用ページを表示する更新日:2010年8月28日更新

1954年兵庫県淡路島生まれの中田浩嗣(なかたひろつぐ)は、1976年東京造形大学彫刻科(佐藤忠良教室)を卒業後、1978年多摩美術大学院彫刻科(中井延也教室)を修了。その後、株式会社「多摩石彫」を設立し、石彫を中心としたモニュメント、壁画レリーフ等を数多く手がけ、公共スペースとのコラボレーション的な仕事に才能と技術を発揮してきました。

日本ユニコム社(東京都中央区人形町)の「鯨の噴水・波紋の彫刻」(3点組)をはじめ、消防会館(東京都港区虎ノ門)の「50周年記念モニュメント」、目黒区役所「等々力渓谷モニュメント」、小平市の東京サレジオ学園・ドンボスコ記念聖堂、千代田区麹町のイグチオ教会の祭壇等の一連の大理石の仕事は、彼の代表作と言えるでしょう。

しかし、彼は芸術家としてではなく、ひたすら石彫職人として歩んできました。最後の仕事となったのは東京都調布市のカトリック調布教会の大理石敷き板・マリア像台座・洗礼盤のオブジェでした。

2008年7月に病気の為、若くしてこの世を去ることになりましたが、2007年に台東区谷中のアートギャラリー・TENにて開催した展覧会が、芸術家・中田浩嗣の最初で最後の個展でした。

今回の当館での「中田浩嗣 展」の開催は、妻・中田洋子(ガラス彫刻家)と舟越桂(彫刻家)をはじめとする友人達の「彼の残した石の彫刻を多くの皆さんに観ていただき、日本にもこんな彫刻家がいたことを知ってもらいたい。」という熱い思いに支えられて、実現することとなりました。流れ落ちる水・さざなみ・水面の波紋・・・堅い岩に水が造る形を彫る中田の彫刻は、高度な職人的技術と芸術家としての高い感性が相まって、初めて可能になった作品ではないか思われます。

また一方で、生まれたばかりの命を暖かくつつみ込むようなペンギンの親子像、渥美清演じる「寅さん」の帽子や鞄の試作も含めた中田彫刻は、今までの石彫の持つ硬く冷たい無機質なイメージを変えてしまう有機的な暖かさに満ちています。

彼の2007年の初個展に続く今回の当館での遺作展は、石のアーティスト・中田浩嗣を広く日本中の人々に知っていただくための展覧会として開催します。

中田浩嗣石彫展チラシ(表)中田浩嗣石彫展チラシ(裏)

会期

2010年8月28日(土曜日)から10月3日(日曜日)まで

関連企画

スペシャルギャラリートーク(中田洋子・乾純信・加藤俊男によるギャラリートーク)

8月28日(土曜日)午後2時30分より
場所:展示室  ※入場料要   

館長による作品解説

8月29日(日曜日)、9月12日(日曜日)・19日(日曜日)、10月3日(日曜日)午後2時00分より
場所:展示室 ※入場料要

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