第20回吉井勇顕彰短歌大会・受賞作品
漂泊の歌人吉井勇の功績を顕彰するために開催している「吉井勇顕彰短歌大会」に、今年も北海道から九州まで全国各地から、一般の部100名・195首、学生の部359名・359首の投稿がありました。開館以来毎年恒例の短歌大会も、今年で20 回目を迎えました。たくさんのご投稿まことにありがとうございました。
受賞作品
一般の部
吉井勇大賞 |
共に植ゑし者ら世を去り桧の山に五十年生の成木見上ぐ |
山口県宇部市 藤井 重行 |
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吉井勇賞 |
Gパンの女菊師が出し抜けに光源氏の御身抱き来る |
福島県福島市 今野 金哉 |
佳作 |
草踏めば草にもつれるわが身なりかすてら色の夕陽をうけて |
山口県岩国市 二宮 信子 |
箱二つ重ね歯となす獅子舞を手に出番待つ介護士さんは
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高知県香美市 古川 安子 |
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重力に支配されない新人と五月へ続く階段のぼる |
愛媛県西条市 丹 圭子 |
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井上佳香賞 |
人けなき山の温泉にひたるとき垣のあはひに合歓の花見ゆ |
茨城県鹿嶋市 大熊 佳世子 |
依光ゆかり賞 |
降りしきる雪を飲みこむ海を分け白波たてて漁り船出づ |
大分県別府市 佐藤 信二 |
中高生の部
吉井勇大賞 |
相談しひとつひとつが腑に落ちて父の言葉に今日も生きてく |
長野県松商学園高校二年 武井 愛来 |
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吉井勇賞 |
隠さずにひとえに君と話したいまだずれているブランコの音 |
長野県松商学園高校二年 林 優大 |
佳作 |
暑さ増し送られてきた枇杷の実が着ていた服を今年も汚す |
高知県安田中学校二年 安岡 穂乃夏 |
冬の朝マスク着用眼鏡がくもる早く終われよ未知のウイルス |
高知県香北中学校一年 黒岩 想乃 |
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冬空に快音響かす朝練の友のバットは鋭さを増す |
長野県松商学園高校二年 宮田 慎之助 |
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井上佳香賞 |
よっこらしょ立ち上がるときに出るこの声はじいちゃん譲りの仕事の印 |
高知県安田中学校二年 北川 舜大 |
依光ゆかり賞 |
帰り道自転車から見る安曇野は稲刈終わり紅葉の時期へ |
長野県松商学園高校二年 高橋 香凛 |
小学生の部
吉井勇大賞 |
ねむってたオキゴンドウが目を覚ましあくびをしたのか大波が来る |
山口県光井小学校六年 横道 玄 |
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吉井勇賞 |
合宿のドラム缶ぶろ気持ちいいゆうやと二人せなかとせなか |
高知県片地小学校五年 島崎 嵩翔 |
佳作 |
もみじの葉水面の上に散り流れ秋のもみじは炎みたいだ |
高知県山田小学校五年 長吉 悠晃 |
目立たないハクセキレイの美の姿かわいい声は少し悲しく |
高知県山田小学校五年 小松 芽生 |
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ひまわりが客をよぶほどさきみだれ黄色の光明日への希望 |
高知県大宮小学校四年 福留 遥希 |
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井上佳香賞 |
夏の夜弟と花火楽しいな花火キラキラおれもキラキラ |
高知県山田小学校五年 大峯 健悟 |
依光ゆかり賞 |
秋晴れの猪野々を見ては栗を取る毬が痛くてお菓子をつまむ |
高知県大宮小学校五年 泉 迅翔 |